1からわかるホームシアターづくり <2011年改訂版>
− 第2回:インストーラーが教えるレイアウトのコツ−
前回はホームシアターづくりの基礎となる「5W2H」という考え方についておさらいした。2回目となる今回は、シアタールームのレイアウトのコツを探っていこう。■スクリーンとリアスピーカーの配置を決める
「シアタールームのレイアウトでまず決めたいのはスクリーンとリアスピーカーの配置」と、ホームシアターショップ「トムテック」のインストーラーである浅田氏は語る。シアターの中で最も大きな位置を占めるスクリーンと、リアスピーカーの配置が決まれば、視聴する位置を決めることができる。そしてそこから自ずと設置できるスクリーンの大きさや、プロジェクターなどの配置も決まってくるのだ。
始めに、部屋の中の大きな壁面を探そう。新築の場合は、あらかじめ大きな壁面を確保しておくと良い。新築の専用シアタールームと比べ制約があるリフォームやリビングシアターの場合は、窓やドアなどの開口部や、家具など動かせないものの配置を確認し、最適な設置場所を探ろう。
そうして見つけた壁面は、スクリーン設置に全ての幅を使うのではなく、7割程度の幅にするのがポイント。というのも、左右にフロントスピーカーを置くスペースが必要だからだ。
また、スクリーンサイズの決定にはプロジェクターの投写距離を考慮にいれることも欠かせない。機種によって値はまちまちだが、100インチの映像を投写するには約3〜4メートルほどの距離が必要になることが多い。壁面サイズだけ考えれば最大100インチのスクリーンが設置できるが、プロジェクターとの距離が十分に取れないならば、スクリーンのサイズを下げざるを得ないということになってしまう。
■必要な機器を決める
シアター構築に最低限必要なのはこの5製品だ。
・ スクリーン(100インチ以上が望ましい)
・ プロジェクター
・ 5.1chを組めるスピーカー
・ AVアンプ
・ BDレコーダー
これだけでいいの?と拍子抜けする人もいるかも知れないが、「DVDやBS/地上デジタル放送の視聴が可能な以上のセットがあれば、たいていの人がホームシアターでしたいと思っていることが実現できるでしょう」と浅田氏は語る。
この基本を頭に入れた上で、自分のしたいことやライフスタイルに合わせて設置機器を増やしたり変更したりしていくと良い。例えばDVDプレーヤーはやっぱり欲しい、とか、とにかくフルHDにこだわりたいからブルーレイ DVDなどの次世代プレーヤー/レコーダーは必要…というような具合だ。
ついでに言うと、2011年の今では、家庭内ネットワークの構築は欠かせない条件となっている。オーディオ・ビジュアルに関しては有線LAN接続の環境を整えよう。
自分のシアターにはどのような機器が必要なのか、それぞれどのくらいのサイズなのか、どのようにつなぐのかなどを書きだしてリストにしてみよう。
さあ、おおまかなレイアウトと、必要な機器の見当がついただろうか?次回は具体的な機器の選定ポイントについておさらいしよう。